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静寂へ、還る。

四季のうつろいと呼吸を合わせる、
引き算の美学。

住まいを造る時、
こんなふうに考えていませんか。

広いほど、豊かだと思っている。
新しいほど、良いと思っている。
完成した瞬間が、一番美しいと思っている。

そう考えること自体を、否定したいわけではありません。

ただ、私たちは長い時間をかけて、住まいと人の関わりを見てきた。
広さを選んだはずなのに、どこか落ち着けない家。
最新の設備を揃えたはずなのに、数年後には手放したくなる空間。
完成写真は美しかったのに、暮らしが入った途端にちぐはぐになっていく部屋。

そういう場面に出会うたびに、
私たちは同じ問いに戻ってきました。

「住まいとは、何のためにあるのだろう。」

問い続けた先に、少しずつ輪郭が見えてきたことがあります。
住まいとは、完成して手に入れるものではなく、
そこで時間を積み重ねていく中で、
じわじわと意味を帯びていくものではないか、ということです。

もしあなたが住まいを「購入する商品」として捉えているなら、
私たちの話は少し的外れに感じるかもしれません。でも、もし「静寂へ、還る。」という言葉が、
どこかに引っかかったなら、
もう少しだけ付き合ってください。

私たちが考える
「あたらしい豊かさ」

足すことをやめた時、
はじめて見えてくるものがあります。

気づけば、私たちの日常は「足すこと」で成り立っています。

情報を足し、機能を足し、選択肢を足し、予定を足す。
それによって確かに便利になった部分はあります。
けれど同時に、何かがじわじわと遠のいていくような感覚も、
うっすらと続いています。

たとえば、朝の光が部屋の奥まで差し込んでいることに、
いつ最後に気づいただろう。
季節が変わったことを、身体で感じたのはいつだったろう。
風の匂いが変わったことを、
誰かと話したのはいつだっただろう。

豊かさとは何か。

私たちは、「感じることのできる状態」のことだと考えています。

面積でも、設備でも、価格でもない。
朝の光をちゃんと受け取れること。
夕暮れどきに空の色が変わっていることを、
ふと窓の外に見つけられること。
庭の木が昨日より少しだけ育っていることを、
誰かと一緒に眺められること。
そういう感覚が、日常のどこかに宿っていること。

足すのではなく、引く。
賑やかにするのではなく、整える。
余白を残すことで、
人の感覚はゆっくりと澄んでいく。

「あたらしい豊かさ」とは、
実のところ、ずっと昔から私たちの暮らしのそばにあったものを、
もう一度手元に引き寄せることなのだと、
私たちは思っています。

衣・食・住

衣・食・住は、
すべてひとつの問いへ還ります。

住まいの話をする前に、
少し回り道をしましょう。

「衣・食・住」という言葉があります。
人が生きるための三つの基本、とよく説明されます。
けれど私たちは、この三つを「生存のための必需品」として並べることに、
長い間ひっかかりを感じてきました。

衣・食・住とは、
どのように生きるかを問う、
姿勢そのものではないかと思うからです。

衣について言えば、
着るものを選ぶとき、人は自分の内側をのぞき込んでいます。
流行に乗ることも選択のひとつですが、
時間をかけて自分の感覚に正直に選んだ服は、
何年経っても手元に残り続けます。
衣とは、自分の感覚への、静かな問いかけです。

食について言えば、
素材の本質を引き出すために何を省くかを考える料理と、
とにかく味を重ねて足していく料理では、
同じ材料を使っても、
食卓に宿るものが変わります。
食とは、余分を手放すことで、
本質へ近づく行為です。

住まいも、
同じだと私たちは思っています。

どれだけの機能を詰め込むかではなく、
何を引けば人の感覚が澄んでいくか。どれほど広くするかではなく、
どのような余白を残せば、
人が自分の呼吸を思い出せるか。

衣・食・住という三つの問いは、
深く掘り下げていくと、
いつも同じ場所へ還ります。

「自分の感覚を信じて、
暮らしているか。」

OLD / NEW は、
住まいをつくりながら、
この問いをずっと手放さずにいたいと思っています。

OLD / NEW

ー OLD|再生という選択 ー

捨てるのではなく、還す。

古い建物には、
独特の空気が溜まっています。

長い年月をかけて乾いた木材の色、
職人の手が丁寧に刻んだ組み手の跡、
石場建ての礎石が静かに支え続けてきた重み。
それらはすべて、
この国が長い時間をかけて育んできた、
建築の知恵と美意識の堆積です。

日本の伝統建築には、
西洋の建築とは異なる時間の概念が宿っています。
完成を目指すのではなく、
時間とともに変化することを最初から受け入れた設計。
木が呼吸し、春の湿気を吸い、
冬の乾燥の中で少しずつ締まっていく。
その繰り返しの中で、
建物はやがて、
その土地の四季を身体に刻んでいきます。

そしてそこに住む人もまた、
同じ季節を重ねます。
夏の朝に縁側から感じる風の向き、
冬の午後に障子越しに落ちる光の柔らかさ。
そういった四季の記憶が、
建物と住む人の間に、
言葉にならない結びつきをつくっていきます。

古くなったからという理由だけで、
その積み重なりを手放すことに、
私たちは長い間違和感を覚えてきました。

OLD が目指すのは、
表面だけを新しく装う改装ではありません。
建物に刻まれた時代の技と美意識を丁寧に読み解きながら、
そこに住んできた人の想いも含めて、
現代の暮らしの文脈の中で再編集すること。

古さを隠すのではなく、
この国の建築文化が積み重ねてきたものを、
次に住む人の暮らしへと静かにつないでいくこと。

それが、私たちの言う
「再生」です。

ー NEW|平屋という暮らし ー

上へ積まず、大地に根ざす。

平屋という選択は、
建築の形式の問題ではないと、
私たちは思っています。

それは、
人と自然の関係をどのように結ぶか、
という問いへの答えです。
上へ積み重ねることで得られる効率ではなく、
地に這うように広がることで生まれる、
外の気配との静かな対話を選ぶということです。

深い軒が夏の強い日差しをやわらげ、
冬の低い陽光は室内の奥まで招き入れる。
土間が、外から内への移行をゆっくりとつなぐ。
縁側が、庭と部屋の間にあいまいな領域をつくり出す。

そういった設計の一つひとつは、
技術的な工夫であると同時に、
人と自然の間合いについての、
明確な意思表示です。

NEW が提案する平屋は、
日本の風土と気候の中で
長い時間をかけて培われてきた建築の知恵を、
現代の暮らしの中で静かに編み直したものです。

時代を映すのではなく、
時代を超えて使い続けられる、
地に足のついた住まいを目指しています。

共通するひとつの軸

OLD と NEW に流れる、
ひとつの静脈。

OLD と NEW は、
一見すると異なる方向を向いているように
映るかもしれません。

古いものを再生することと、
新しい平屋をゼロからつくること。
過去へ手を伸ばすことと、
現在を起点にすること。
そのふたつが同じブランドの名のもとにあることを、
不思議に思う方もいるでしょう。

けれど私たちの中では、
このふたつはずっと同じ問いから出発しています。

建築は、暮らしの時間を
受け止める器である。

古い建物を再生する時も、
新しい平屋を設計する時も、
私たちが問い続けているのはこのことです。

完成した日だけ美しい空間ではなく、
時間が経つほどに深みを増し、
住む人の暮らしとともに育っていく場所をつくれるか。

空間を特別にするのは、
建築の形ではないと思っています。

そこに住む人が、光を感じ、風を感じ、
季節の変化を身体で受け取り、
日常の中で五感が少しずつ回復していく。

建築とは、その感覚を取り戻すための、
静かな仕掛けなのです。

日本の文化には、四季、余白、間、陰翳、静寂といった、
移ろいを受け入れる美意識が深く根ざしています。

OLD / NEW は、
それを懐古的な和風デザインとして扱うのではなく、
現代の暮らしの文脈の中で、
もう少し自由に編み直す試みです。

過去と現在をつなぎながら、
住む人の感受性が少しずつ育まれていく場所をつくること。

それが、
OLD と NEW に共通する、
ひとつの軸なのです。

考えが変わると、
未来が変わる

住まいへの考えが変わると、
あなたの日常は変わります。

住まいとの向き合い方が変わると、
何が変わるのか。

抽象的な話ではなく、
具体的に伝えたいと思います。

ー 感覚が、戻ってくる。 ー

足すことをやめた空間に住み始めると、
最初に変わるのは、
日常の中の「気づき」の量です。

余白のある空間は、人の感覚を澄ませる。
光の角度が昨日と違うことに気づく。
風が変わったことを、
窓を開ける前に身体が知っている。
季節の移り変わりを、暦ではなく、
住まいの中の空気の変化として
受け取るようになります。

情報過多の日常の中で鈍ってしまっていた五感が、
少しずつ回復していく。
それは劇的な変化ではないけれど、
確実に積み重なっていく変化です。

ー 選択の基準が、変わる。 ー

住まいへの考えが変わると、
住まい以外の選択にも、
少しずつ影響が出てきます。

ものを買う時に、
スペックより先に
「これは自分の感覚に合っているか」を
問うようになります。

流行に乗ることより、
長く手元に置けるかどうかを考え、
足すことより今あるものを丁寧に使い続けることに、
自然と価値を感じるようになります。

住まいの思想は、
やがて暮らし全体の思想になっていきます。

ー 時間の使い方が、変わる。 ー

余白のある住まいは、
余白のある時間を生み出す。

予定を詰め込むことより、
何もしない時間をどう過ごすかを
考えるようになります。

忙しさを充実の証とするのではなく、
静かな時間の中にこそ、
暮らしの豊かさがあることに気づきます。

家にいることが、
どこかへ出かけることと同じくらい、
あるいはそれ以上に、
自分を満たしてくれるようになります。

ー 家族の会話が、変わる。 ー

設備や機能ではなく、
季節や光や風を共有できる住まいに暮らすと、
家族の間で交わされる言葉が
少しずつ変わってきます。

「今日は光がきれいだね」と、誰かが言う。
「この風、秋になったね」と、誰かが答える。
そういう言葉が、
日常の中に自然と生まれます。

住まいが、感覚を共有する場に
なっていきます。

そして、十年後。

スペックで選んだ家は、
スペックが古くなった時点で、
その価値の大半を失います。

しかし思想で選んだ住まいは、
時間が経つほどに深みを増していくのです。

木材は色を深め、
空間は住む人の暮らしを吸い込んで、
少しずつその家族だけのものになっていく。

十年後に、その住まいを好きになっていること。
二十年後に、
ここで暮らしてきてよかったと思えること。

それが、OLD / NEW が目指す、
時間の先にある姿なのです。

あなたの暮らしの話を、
聞かせてください。

OLD / NEW では、
提案より先に、
話を聞くことから始まります。

今すぐ建てる計画がなくてもいい。
まだ言葉にならない感覚しか持っていなくてもいい。
「なんとなく今の暮らしに、
何かが足りない気がする」という、
輪郭のない思いだけを持って来てくれても、
それで十分です。

むしろ、そういう話を聞きたいと思っています。

個別相談は、
完全に個別の場として設けています。
商品の説明をする場ではなく、
あなたの暮らしの問いに、
私たちがどう応えられるかを
一緒に考える時間です。

話し終えた後に、
契約を急かすことはしません。
継続的に連絡を重ねることもしません。

あなた自身が、
次の一歩を踏み出したいと思った時に、
踏み出してくれればいいです。

住まいは、
人生の時間を受け止める器だ。

だから、
その器を選ぶ時間も、
丁寧であってほしいと
私たちは思っています。

静寂へ、還る。


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